親が亡くなって、実家を相続することになりました。
片付けも売るかどうかも、何から手を付ければいいのか分かりません。
実家を相続したら、最初にやるのは片付けでも売却でもありません。
期限のある手続きを確かめることです。
期限のあるものから順に決めていけば、迷う回数は減ります。
このページでは、その順番を5つに分けました。
この
- 相続放棄や
登記の 期限に 間に 合うか どうかが 分かります - 片付け・売却・解体の
どれを 先に するか 決められます - 家族に
相談する ときに、 何を 見せればいいかが 分かります
目次
相続した実家の行き先は住む・貸す・売る・活かすの4つ
相続した実家の行き先は、大きく分けると4つです。
どれを選ぶかで、この先にやることが変わります。
| 行き先 | 向いている家と人 |
|---|---|
| 住む | 家が傷んでいない。自分か家族が住める距離にいる |
| 貸す | 駅や街に近く、借り手が見つかりそうな場所にある |
| 売る | 住む人がいない。遠方で通えない。維持費を止めたい |
| 活かす | 建物は古いが、土地に使い道がある。更地にして貸すなど |
知恵袋には、この4つのどれを選ぶか以前に、相談先が分からずに止まっている人もいました。
この家は他県にあること、不動産のことに関わったことなかったりでどこに相談していいのもか初めの突破口すらわからない状態です
出典は Yahoo!知恵袋の投稿(2022年9月)です。
行き先は、最初から1つに決めなくて大丈夫です。
期限のある手続きから順に進めると、選べる行き先が自然に絞れてきます。
決めないまま置いておくと毎年かかる費用
行き先を決めないあいだも、家には毎年お金がかかります。
- 固定資産税
(毎年、 名義人か 相続人に 届きます) - 電気と
水道の 基本料金 (止めない 場合) - 火災保険
( 空き家は 条件が 変わる ことがあります) - 草刈りや
通風の 手間と、 遠方なら 交通費
管理されていない空き家は、市区町村から「管理不全空家」として勧告を受けることがあります。
勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例から外れます。
特例から外れると、同じ土地でも税額が上がります。
出典は 国土交通省 空き家対策特設サイト「空家法とは」です。
順番1 名義と期限を確かめる
最初に確かめるのは、家の名義と、手続きの期限です。
期限は3つあり、短いものから順に来ます。
| 手続き | 期限 | どこで |
|---|---|---|
| 相続放棄 | 相続を知ったときから3か月以内 | 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所 |
| 相続税の申告 | 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 | 税務署 |
| 相続登記 | 相続で取得したことを知った日から3年以内 | 家のある地域の法務局 |
出典は 裁判所「相続の放棄の申述」と国税庁 No.4205 相続税の申告と納税、法務省「相続登記の申請義務化について」です。
相続税は、遺産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるときにかかります。
相続人が子ども2人だけなら4,200万円です。これより少なければ申告は要りません。
基礎控除の計算は 国税庁 No.4152にあります。
相続登記は、2024年4月から義務になりました。
正当な理由なく3年を過ぎると、10万円以下の過料の対象になります。
2024年4月より前に相続した家も対象です。
その場合の期限は2027年3月31日です。
遠方の家だと、法務局に行くこと自体が壁になります。
実家の相続登記をしたいのですが、かなり実家が遠い為、管轄内の法務局になかなか行けません
出典は Yahoo!知恵袋の投稿(2026年8月)です。
相続登記の申請は、法務局の窓口に行かなくても、郵送やオンラインで出せます。
郵送のやり方は 東京法務局「不動産登記に関するよくある質問」にあります。
相続人どうしの話し合いがまとまらないときは、「相続人申告登記」という方法もあります。
相続人の1人が単独で申し出れば、3年の期限は守ったことになります。
順番2 家に残った物の量で片付けの費用を知る

期限を確かめたら、次は家の中です。
物の量が分かると、片付けにいくらかかるかの目安が立ちます。
相続放棄を考えているなら、家の物を処分したり売ったりする前に止まってください。
相続した財産を処分すると、相続を認めたとみなされ、放棄できなくなることがあります。
片付けの費用は、同じ間取りでも物の量で大きく変わります。
知恵袋には、見積もりの額に驚いた人の相談がありました。
遺品整理業者に見積もりをお願いしたら、凄く高かった(6畳二間にキッチンあと荷物がモロモロ)で32万くらいこれくらいなんでしょうか??
出典は Yahoo!知恵袋の投稿(2024年11月)です。
32万円が高いかどうかは、1社の見積もりだけでは決められません。
2〜3社に同じ家を見てもらうと、どこが高いのかが見えてきます。
- 自分で
片付ける 家から近く、 週末ごとに 少しずつ 進められる 人 - 大物だけ
頼む たんすや冷蔵庫など 運べない 物だけ業者に 出したい 人 - まとめて
頼む 遠方で通えない 人、 退去や 売却の 日が 先に 決まっている 人
業者に頼むときは、市区町村の一般廃棄物の許可を持っているか、許可業者と組んでいるかを確かめてください。
順番3 家の状態で買取か仲介かを見きわめる
片付けの見通しが立ったら、家そのものをどうするかです。
売る場合は、仲介と買取の2つの売り方があります。
| 売り方 | しくみ | 向いている家 |
|---|---|---|
| 仲介 | 不動産会社が買い手を探す | 状態がよく、買い手が見つかりそうな家 |
| 買取 | 不動産会社が自分で買い取る | 古い家、物が残った家、仲介で断られた家 |
買取の値段は、同じ家でも会社によって大きく違います。
市街化調整区域の再建築不可物件で 買い取り価格大体250万円位の価値と言う不動産屋さんが多い中、500万円と言ってくれる業者さんがおります。
出典は Yahoo!知恵袋の投稿(2026年4月)です。
同じ家に、倍の差が付くことがあります。
1社だけで決めずに、2〜3社に聞いてから比べると、この差に気づけます。
親がひとりで住んでいた家を売るときは、売って出た利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります。
1981年5月31日以前に建てた家で、相続した日から3年目の年末までに売ることが条件です。
この特例は、2027年12月31日までに売った家が対象です。
相続人が3人以上なら、差し引ける額は1人2,000万円までになります。
細かい条件は 国税庁 No.3306で確かめてください。
順番4 更地にするか手放すかを確かめる
売れそうにない家は、解体して更地にするか、そのまま持ち続けるかで迷います。
知恵袋には、この2つを金額で比べた人がいました。
不動産を処分するとなると、建物の取壊し費用に180万円から350万円ほどかかるそうで、死ぬまで固定資産税を払い続けると300万円ほどになり、同様の金額となります。
出典は Yahoo!知恵袋の投稿(2025年3月)です。
家を取り壊して更地にすると、住宅用地の特例がなくなり、土地の固定資産税は上がります。
解体の前に、今の税額と解体後の税額を役所の税務課で聞いておくと安心です。
更地にしても使い道がない土地は、国に引き取ってもらう制度もあります。
2023年4月に始まった「相続土地国庫帰属制度」です。
国に
- 建物が
ある 土地は 申請できません。 先に 解体が 要ります - 審査の
手数料は 土地1筆に つき14,000円です - 認められたら、
10年分の 管理費用に あたる 負担金を 納めます
出典は 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」です。
解体費と負担金を足すと、決して安くはありません。
だから、解体の前に「現状のまま買い取る会社があるか」を先に聞く順番が効きます。
順番5 家族と話す前に数字を1枚にまとめる

兄弟や親族がいる場合、最後に待っているのが話し合いです。
ここで決めずに「とりあえず全員の名義に」とすると、あとで動けなくなることがあります。
親が亡くなって、7年前に実家を売却はせずに姉妹3人で共同名義にしました
出典は Yahoo!知恵袋の投稿(2018年6月)です。
共有名義にしたあとの投稿
7年はうまくいっていたものの、姉妹の1人の夫が借金をつくり、固定資産税の分担が止まりました。さらに自分の持ち分を担保にお金を借りるか、売ってしまいたいと言い出したと書かれています。
共有名義の家を丸ごと売るには、全員の同意が要ります。
1人でも反対すると動かせません。そのうえ、自分の持ち分だけなら1人でも売れてしまいます。
話し合いの前に、次のことを1枚の紙に書き出しておくと、感情でなく数字で話せます。
- 家の
名義と、 相続人が 誰か - 期限
(相続放棄・相続税・相続登記)と、 今日から 何日 あるか - 毎年かかる
費用 (固定資産税・光熱費・保険) - 片付けの
見積もり額 - 売る
場合の 査定額と、 解体する 場合の 見積もり額
数字が並ぶと、「売るか残すか」の話が「誰がいくら負担するか」の話に変わります。
こちらのほうが、決まりやすいんです。
実家と一緒に考えるお墓と仏壇
実家を相続すると、お墓と仏壇をどうするかも一緒に来ることが多いです。
家の片付けと同じで、期限のあるものから順に決めると進めやすくなります。
お墓を移したり閉じたりする「墓じまい」には、今のお墓がある市区町村の改葬許可が要ります。
仏壇を手放す「仏壇じまい」は、お寺や仏壇店に相談する形が一般的です。
家の売却と、お墓と仏壇の話は、切り分けて考えると混ざりません。
先に家の順番を進めて、そのあとでお墓と仏壇に移るのが1つの形です。
よくある質問
実家が
通えない前提で組み立てたほうが早く進みます。
登記は郵送で出せます。片付けは業者に、売却は現状のまま買い取る会社に相談すれば、現地に行く回数を減らせます。
兄弟と
その時点では公平に見えます。
ただ、家を丸ごと売るときは全員の同意が要るので、誰か1人の事情で動けなくなることがあります。
何もしないで
相続登記は3年を過ぎると過料の対象です。
家が傷んで管理不全空家として勧告されると、固定資産税の特例からも外れます。
実家を相続して迷っている人が今日できること
実家を相続したら、片付けや売却より先に、期限のある手続きを確かめます。
そのあとは、物の量、家の状態、土地、家族の順に決めていきます。
- 相続放棄・相続税・相続登記の
期限を、 カレンダーに 書き込む - 家の
中の 物の 量を 見て、 片付けの 見積もりを 2〜3社に 頼む - 名義・期限・費用・査定額を
1枚の 紙に まとめる
今日できるのは、1つ目の期限を書き込むことだけでも十分です。
期限が見えると、次にやることが自然に決まります。


