親の家、どうする 相続した実家と空き家の、次の一手を決める
お墓と仏壇

墓じまいして散骨するには?国のガイドラインで分かる手順と業者選び

※このページには広告が含まれます

こんにちは。みのるです。親の家のことを、国や市の資料と、知恵袋やXの投稿をもとに書いています。(→みのるのプロフィール)

悩む人 悩む人

親のお墓を閉じることにしました。
遺骨は、お墓に移すより、海に散骨したいと思っています。
墓じまいのあとに散骨するには、どうすればいいんでしょうか。

散骨には、法律上の許可の手続きはありません。
墓地埋葬法に、散骨についての決まりがないからです。

ただ、自由にどこへでも撒いてよいわけではありません。
国の研究事業でまとめられたガイドラインに、守るべきことが書かれています。

このページを読むと

  1. 散骨の法律上の扱いと、気をつけることが分かります
  2. 墓じまいから散骨までの手順が分かります
  3. 散骨の業者を選ぶときに確かめることが分かります

散骨は法律上どう扱われているか

散骨は、墓地埋葬法に決まりがない行為です。
そのため、法律による手続きはありません。

国は、墓地埋葬法に散骨を禁じる決まりはないとしながら、国民の意識や宗教的な感情の動きを注意深く見守る必要があるとしています。

出典は 東京都保健医療局「散骨に関する留意事項」です。

同じページでは、散骨をめぐるトラブルの例も挙げています。

海や川での散骨は、水産物に風評の被害が出るおそれがあります。
山での散骨では、土地の持ち主や近所の人とのトラブルや、骨を目にした人からの苦情が起きた例があります。

横浜市も、散骨に許可の手続きは要らないとしたうえで、場所や周りの人、自然への配慮が必要だと案内しています。

出典は 横浜市「散骨するにあたっての手続について」です。

国のガイドラインで決められていること

海の見える場所で散骨の説明を聞く家族

厚生労働省の研究事業で、散骨の業者向けのガイドラインがまとめられています。
業者を選ぶときの目安にもなる内容です。

  • 遺骨は、形が分からないよう粉状に砕く
  • 海なら、海岸から一定の距離以上離れた海域で行う
  • 陸なら、あらかじめ決めた区域で行う(川や湖は除く)
  • 地域の住民や土地の持ち主、漁業者などに十分に配慮する
  • プラスチックなど、自然に悪い影響が出る物を一緒に撒かない

出典は 厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(PDF)です。

ガイドラインは、自治体の条例も守るよう求めています。
散骨にルールを決めている地域もあるので、行う場所の市区町村に確かめます。

墓じまいから散骨までの手順

墓じまいをして散骨するときは、次の順に進めます。

STEP
  1. お墓に入っている人の親族に、散骨にしたいことを話す
  2. 散骨の業者を選び、方法と費用を書面で確かめる
  3. 今のお墓の管理者と市区町村の窓口に、遺骨を取り出すときの手続きを確かめる
  4. お墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去する
  5. 業者が遺骨を粉状にして、散骨する
  6. 業者から散骨証明書を受け取る

お墓から遺骨を取り出すときの手続きは、行き先によって変わります。

ほかのお墓や納骨堂に移すときは、市区町村の改葬許可が要ります。
散骨のために取り出すときの扱いは、市区町村によって違います。

出典は 東京都保健医療局「散骨に関する留意事項」です。

散骨したあとは、遺骨を取り戻せません。
お参りする場所が欲しい人は、遺骨の一部を手元に残したり、分けて納めたりする形もあります。

遺骨を分けて残す方法は、次の記事にまとめています。

分骨はしない方がいい?言われる理由と分けるときに要る書類

分骨はしない方がいい?言われる理由と分けるときに要る書類

散骨の業者を選ぶときに確かめること

書類を見ながら散骨の業者を比べる人

ガイドラインには、業者が利用者に対してすべきことも書かれています。
これを満たしているかが、業者を選ぶときの目安になります。

STEP
  1. 契約の中身を書いた約款を公表しているか
  2. 契約を書面で結び、費用の明細書を付けてくれるか
  3. 散骨したあとに、散骨証明書を渡してくれるか
  4. 散骨の件数や場所を、毎年公表しているか
  5. 海での散骨なら、ライフジャケットなどの安全の備えがあるか

2〜3社から話を聞いて、同じ点を比べると選びやすくなります。
立ち会うか業者に任せるかなど、方法ごとの費用も先に聞いておきます。

散骨で後悔しないために先に考えること

散骨は、あとから取り消せない選び方です。
次の点を家族で話しておくと、あとで困りにくくなります。

  • 全部を散骨するお墓を継ぐ人がいない、お参りの場所はなくてよいと家族で決めている人
  • 一部を散骨、一部を手元にそばに置いて手を合わせたい人がいる家族
  • 一部を散骨、一部を合祀墓にお参りできる場所を1つ残しておきたい人

墓じまいで後悔しやすい点や、合祀との違いは、次の記事にまとめています。

お墓を移すのはよくない?墓じまいで後悔する5つの理由

お墓を移すのはよくない?墓じまいで後悔する5つの理由

合祀墓と永代供養の違いは?遺骨を一緒に納める時期で選ぶ3つの形

合祀墓と永代供養の違いは?遺骨を一緒に納める時期で選ぶ3つの形

よくある質問

自分で海に散骨してもいいですか

法律上の手続きはありませんが、場所や周りの人への配慮が必要です。

風評の被害やトラブルを避けるため、ガイドラインに沿って行う業者に頼むと安心です。

家の庭に散骨してもいいですか

自分の土地でも、近所の人が気分を害することがあると東京都は注意しています。

また、個人が庭などにお墓をつくることは、法令で認められていません。

散骨の証明書は何に使いますか

遺骨をどうしたかの記録になります。

あとで親族に説明するときにも役に立つので、なくさないよう保管します。

墓じまいして散骨を考えている人が今日できること

散骨には法律上の手続きはありませんが、国のガイドラインに守るべきことが書かれています。
業者選びも、ガイドラインに沿っているかで確かめられます。

  1. お墓に入っている人の親族に、散骨にしたいことを話す
  2. 全部を散骨するか、一部を残すかを家族で決める
  3. 2〜3社に、約款・明細書・散骨証明書があるかを聞く

散骨は取り戻せない選び方なので、家族で納得してから進めると安心です。

実家を相続したら何から?空き家にする前に決める5つの順番

実家を相続したら何から?空き家にする前に決める5つの順番