お墓を継ぐ人がいなくなりそうです。
でも、墓じまいをしてお墓をなくすのには抵抗があります。
お墓を残したまま、永代供養にしてもらうことはできるんでしょうか。
墓じまいをしなくても、お墓を残して供養を頼む方法はあります。
今のお寺や霊園に、管理費を納めて管理と供養をお願いする形です。
ただ、「永代供養」は法律で決まった言葉ではありません。
頼む前に、どこで、どう、いつまで供養してもらえるのかを確かめておくと、あとで困りません。
この
- お墓を
残したまま 供養を 頼む方法が 分かります - 「永代供養」を
頼む前に 確かめる 3つの ことが 分かります - 残すか
閉じるかを、 自分の 家の 事情で 決められます
目次
お墓を残したまま供養を頼む方法
お墓を残したい人の多くは、今のお寺や霊園にそのまま管理を頼みます。
国民生活センターの『国民生活』2025年12月号で、仏教学者の佐々木閑さんは次のように話しています。
お墓を残したいけれど、自分が亡くなったあとに世話をしてくれる人がいない場合は、檀那寺に管理をお願いする方法があります。
管理費を納めて管理を頼む形で、お墓をいちばん大切にしたい人に向いているとしています。
出典は 国民生活センター『国民生活』2025年12月号「檀家制度の歴史と変遷」(PDF)です。
同じ記事では、位牌を継ぐ人がいない場合に、位牌そのものをお寺に納める方法も挙げています。
お墓と位牌を分けて考えると、選べる形が増えます。
| 形 | やること | 向いている人 |
|---|---|---|
| お墓を残して管理を頼む | 管理費を納めて、お寺や霊園に管理と供養を任せる | お墓をそのまま残したい人 |
| 位牌をお寺に納める | 家の位牌をお寺に預けて供養してもらう | 家に位牌を置いておけない人 |
| 墓じまいして納め直す | 遺骨を取り出し、合祀墓などに移す | 遠方で誰もお参りできない人 |
永代供養は法律で決まった言葉ではない

「永代供養」という言葉は、墓地埋葬法には出てきません。
同じ『国民生活』2025年12月号で、法社会学者の森謙二さんは、合葬墓や永代供養墓などの施設は今の法律が想定していない形だと書いています。
出典は 国民生活センター『国民生活』2025年12月号「祭祀継承制度の限界と墓地埋葬法の現代的課題」(PDF)です。
「永代」と付いていても、永遠に個別で供養してもらえるとは限りません。
一定の期間は骨壺ごとに保管し、そのあとでほかの人の遺骨と一緒に納める(合祀する)形の施設もあります。
たとえば東京都の霊園には、この形の合葬施設があります。
一緒に納めたあとの遺骨は返さない、と規則で決めています。出典は 東京都霊園条例施行規則です。
森さんは、遺骨を預かる側が次の3つを契約や規約で決めておく必要があると書いています。
頼む側も、同じ3つを確かめておくと安心です。
- 遺骨を
どこで 管理するか。 今の お墓の ままか、 別の 納骨施設に 移すのか - どう
管理するか。 骨壺ごとか、 ほかの 人と 一緒か。 供養の 法要は いつ あるのか - いつまで
管理するか。 何年たったら合祀に なるのか。 その ときの 費用は どうなるのか
「永代供養でお願いします」と頼む前に、この3つを紙に書いてもらうと食い違いが起きにくくなります。
口約束のままだと、代替わりしたときに話が伝わっていないことがあります。
お墓を継ぐ人は法律でどう決まるか
お墓を誰が継ぐかは、民法で決まりがあります。
家や預金の相続とは別で、祖先のまつりごとをする人が、お墓を受け継ぎます。
亡くなった人が指定した人がいれば、その人がお墓を受け継ぎます。
指定がなければ、その地域の慣習で決まります。長男と決まっているわけではありません。
条文は e-Gov 法令検索の民法 第897条で読めます。
娘や、兄弟の子ども、親戚でも、お墓を受け継ぐことはできます。
「継ぐ人がいない」と思っていても、話し合えば引き受けてくれる親族がいることもあります。
残すか閉じるかを決めるときの目安

お墓を残して管理を頼むか、墓じまいをするか。
決めるときは、次の目安が役に立ちます。
- 残して
管理を お墓の頼む 近くに お参りする 親族が いる 人、 管理費を 払い続けられる 人 - 一部を
手元に 遠方で残して 閉じる お参りが 難しいけれど、 遺骨の 一部は そばに 置きたい 人 - 墓じまいして
納め直す 誰もお参りできず、 管理費も 払い 続けに くい人
墓じまいを選ぶ場合の後悔しやすい点は、別の記事にまとめています。
管理費が払えなくなったらどうなるか
お墓を残すなら、管理費をいつまで、誰が払うかを決めておきます。
払う人がいなくなったお墓は、無縁のお墓として整理されることがあります。
縁故者がいないお墓は、管理者が市区町村の許可を受けて、ほかの場所に移すことができます。
その前に、官報に載せ、お墓の近くの立札で1年間知らせて、申し出を待つ決まりです。
出典は e-Gov 法令検索の墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第3条です。
知らないうちにお墓が移されないように、管理者には連絡先を伝えておきます。
管理費の支払いが難しくなりそうなら、早めに相談すると、選べる道が残ります。
よくある質問
墓じまいを
管理費を払い続ければ、お墓はそのまま残ります。
払う人がいなくなると、無縁のお墓として整理されることがあります。
永代供養を
施設によって違います。
何年たったら合祀になるのかを、頼む前に書面で確かめます。
お墓を
法律で長男と決まってはいません。
亡くなった人の指定か、その地域の慣習で決まります。娘や親戚が継ぐこともできます。
お墓を残したい人が今日できること
墓じまいをしなくても、お墓を残して供養を頼む方法はあります。
「永代供養」の中身は場所によって違うので、頼む前に確かめておきます。
- 今の
お寺や 霊園に、 お墓を 残したまま 管理を 頼めるか 聞く - どこで、
どう、 いつまで 管理して もらえるかを 書面で もらう - 管理費を
誰が、 いつまで 払うかを 家族で 決めて おく
お墓を残すと決めるのも、閉じると決めるのも、どちらも家族で話し合って決めてよいことです。

